愛のファントムハーレクイン文庫 [Kindle版]

[あらすじ] ミーガンは、一介の小さな建設会社を多国籍企業までに育てたオーナーの一人娘。高校時代から父を手伝って会社の成長に貢献してきた。それももう終わり、ヨーロッパ行きのロマンスのたびに出かける前の晩に会社が催してくれたパーティにいた。しかし、その晩の何故か父の様子がおかしい。

父のオフィスを訪れると、なんと、銃口を自分の頭に向けているではないか。ミーガンは慌ててその理由を尋ねた。父のパートナーである建築家のイーサン・ウィンスローが彼の会社を破滅に追いやろうとしているという。それは、5年前に彼の設計で建築した建物の欠陥が理由で起こった大規模な事故のためだった。

イーサンに追い込まれた父にとって、もう逃げ道はない。彼に会いに行かなければならないが、自分では解決できない。娘のミーガンは取引相手のイーサンの住む片田舎のオーグローブの屋敷へ向かった。噂によれば、世にも醜い姿の彼は決して人前に現れないという。

屋敷の異様さに不安を覚えつつ、彼女は従僕に取り次ぎを頼んだ。暗い部屋に通され、目を凝らすと、男の姿が闇に浮かびあがった。顔は半分しか見えないが、この世のものとは思えないほど美しい。

想像との違いに戸惑いながら、ミーガンは父の免罪を請うた。すると男は、彼女を幽閉して“楽しむ”間は許すとしたうえで、こう告げた。「但し、君に飽きた瞬間、ぼくは彼を破滅させる」

彼は墨のように恋闇の中で勝ち誇り、ふたたびひとり満ち足りて、オーク・グローブの心狭き村人たちに恐れられるファントムに戻るのだ。醜悪な奇形のモンスター、暗闇の魔物。夜のファントムとして・・・・。

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