書籍名: 桜の森の満開の下
著者:坂口安吾
ASIN:B009AZTHOQ
[あらすじ] 主人公の男は山賊である。山を通る物の金品を奪ったり、女を捕まえて自分の妻にしたりして生活していた。そんな男が唯一怖いと感じる物は、その山にある満開の桜の森だった—。
ある日、8人目の妻として美しい女を手に入れる。男はその女に惚れ込み、女の命令に何でも従う。女の命令は常軌を逸し、男に自分以外の妻を殺させたりした。物欲もとどまるところを知らず、男がどんな物を持ってきても満足しなかった。
女に言われ、男は女を連れて都に行き、そこで生活を始める。都の生活が好きな女に対し、男は山での生活しか知らなかったため、どんどん疲弊していく。女は「首遊び」という、本物の首を使った遊びにはまり、男に大量の首を持ってこさせる。
男は疲れ切り、女をおいて家を出る。その後、女と別れるつもりで家に帰ったが、女から思いがけず優しくされる。結局、女は男と生活することを選び、一緒に山に帰ることとなった。
男はまだ女を深く愛していた。女と一緒に住み慣れた山に帰れることで有頂天になり、自分を脅かす物はなにもないと考え、わざと満開の桜の森の下を通る。そこで起こったこととは—。
「この本に登場する桜は、幻想的だが恐ろしい雰囲気を持っている。女の「狂気」とそんな桜を中心として繰り広げられる「恐怖」は目を離せない物となるだろう。
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